日時:3月29日(木) 15:00〜17:00
場所:東京大学生産技術研究所 D棟 Dw601
講師:岩井 俊哉 先生 (日本大学工学部情報工学科)

タイトル:カオスニューラルネットワークダイナミクスへの
     パターン間相関とダイナミカルノイズの影響

アブストラクト:
ラットやウサギの嗅覚に関する生物学実験により,脳におけるカオス的応答が学
習や記憶の機能に何らかの役割を果たしていると期待され,カオスニューラルネッ
トワークを用いた記憶探索等の情報処理モデルが構築されてきた.一方,カオス
を生む系の一つの性質として,変数の初期値やパラメータ値へのダイナミクスの
鋭敏性はよく知られている.合原らにより考案されたカオスニューラルネットワー
クを用い連想想起の問題を考える時も,シナプス荷重はネットワークに記憶させ
たパターンで決定されるため,記憶パターンが異なるとネットワークの動的性質
も異なる可能性がある.そこで,私達はカオスニューラルネットワークに記憶さ
せたパターン間の相関を変えて数値実験を行い,相関の強いパターン同士が想起
されやすい事や相関によってダイナミクスの性質が変わる事を見出した.これら
の結果について発表する.