1.日時:3月28日(火)15:30〜16:30 2.場所:東京大学 生産技術研究所 D棟6階 Dw601会議室 3.講演者:三重大学教育学部 教授 谷口 礼偉先生 4.タイトル&アブストラクト タイトル: カオス写像を用いた擬似乱数の生成とハッシュ関数 アブストラクト:  数値計算の桁落ち誤差の発生メカニズムを利用した、新しい擬似乱数生成法 「実数シフト法(SSR法)」を紹介する。また、SSR法のアルゴリズムを利 用したハッシュ関数SSI160も併せて紹介する。  SSR法(Simplified Shift-Real method) は、以下の「実数シフト計算」を基本 としている: h (x) =w 0・x・x・. . . ・x , x ?[1,2), を、wk : = wk-1・ x と倍精度計算し、wk を1回計算するごとに、wkを表す倍精度変数に対し、 i) 仮数部の全てのビット値を2ビット左にシフトし、 ii) 指数部は ? 20 とな るようする(k = 1,2, . . . , N)。実際の乱数値を得るには、計算結果wNから、 最初の幾桁かを捨て、続く8桁を乱数値として採用する。さらに、x を変化させ てSSR計算を行えば、多量の擬似乱数を非再帰的に生成できる。 wk-1 からwk を得る写像を?xとすると、?xは殆どのx ?[1,2) についてカオス 写像を定義する。講演では、?xのPerron-Frobenius作用素を解析することにより SSR擬似乱数の分布特性が調べられること、?xのカオス性を利用した乱数特性の 改良法、SSR擬似乱数に対するNISTの検定プログラムの実行結果などについて述 べる。また、左シフトの結果空いたビットにデータ情報を埋め込んで、ハッシュ 関数を作る方法についても述べる。